
どうも、ケア人あがちょ(@careninagacho)です。
自宅ではない場所で、高齢者が入居(入所)できる所でよく知られているのは、特別養護老人ホーム(以下、特養とも言う)や有料老人ホームではないでしょうか。
その他にも介護サービスを受けられる入居施設はいくつか種類はありますが、認知症に特化した施設は認知症グループホーム(別名、認知症高齢者共同生活介護)しかありません。
今回は、認知症グループホームにフォーカスしてご説明します。
介護サービスを受けられる施設の種類

介護を受けられるサービスは大きく2つに分けられます。
自宅生活を支える在宅サービスと自宅とは違う場所で生活を送る施設サービスです。
在宅生活において受けられるサービスは何種類もありますので、参考記事をお読みください。
一般的によく知られている特養のイメ―ジは「入所するにお金が安いんでしょ?」「入所の待ち人数が多いでしょ?」と言われる方は多くいます。
入居後は、どれだけの期間を過ごすか分からない為、入居費用に関しては大きなポイントとなります。
実際に、特養や介護老人保健施設(老健とも言う)の場合に関しては、入居中の食費・居住費が減免になったり、おむつ代が保険給付されたりと、その他の入居施設とは制度上の違いで金額に差が出ることは確かです。※減免措置(特定入所者介護サービス費と言う)が使えるか否かは、市町村へ申請をして確認をしてください。
その他にも
■介護医療院(病状が安定期にある長期療養を必要とする人が入院する) ■有料老人ホーム(介護付き、住宅型、健康型の3種類があります) ■サービス付き高齢者向け住宅(高齢者のための賃貸住宅) ■軽費老人ホーム(ケアハウスなど) ■養護老人ホーム(経済的な理由などで入所) etc
上記の施設には、それぞれの特徴や目的があります。(特養は基本的には要介護3以上の方が対象です)
入居に関する費用に違いもありますし、入ってみたから気づく事や分かる事も出てくるでしょう。
希望通りの生活が送れるかどうかは一概には言えません。
「こんな所だとは思わなかった~、知らなかった~(゚Д゚;)」ってことにならない為にも、しっかりと説明を受け、見学して実際の暮らしの様子を見るなど、納得した形で進めてほしいと思います。
まずは入居に該当するのか、待ちの順番(だいたい何番目ぐらい?)などは予め確認しておくと良いでしょう。担当ケアマネジャーや施設相談員に気軽に問い合わせしてみて下さい。


グループホームの特徴

今後の生活の話を進めていく上で、1つのポイントとなるのが認知症の状態です。
介護施設はあるものの、認知症の症状が著しく見られている場合に関しては、事業所によっては入居を断られるケースもあります。

「ウロウロと徘徊で落ち着きがない」「他の人とのトラブルが心配」「何でも口に入れてしまい、危険性が高いので不安」
など、集団生活を送るうえでは、とても懸念される訳です。
折角入居したものの、「うちの施設では見れません・・他を探してください(*_*;」
なんて言われる可能性もあります。
それに比べ、認知症グループホームに関して言えば、認知症対応型共同生活介護という名称通り、認知症の方が対象ですので、余程のケースでない限りは、受け入れてくれる事が多いと思います。
では、なぜグループホームは認知症に特化していると言えるのでしょうか?
入居定員が少ない、職員の配置が厚い
グループホームの定員は多くても27名(3ユニット)までです。多くのグループホームは18名(2ユニット)定員となっています。1つのユニット(グループみたいなもの)に5名~9名が暮らしています。
日中は3名の入居者に対して、介護職員が1名配置されます。ユニットに9名の入居者が居れば、3名の職員が居る事になります。(夜間は1ユニットに1人の夜勤者)
目が行き届きやすく、関りも密になりやすいので、一人でボーッと過ごされるよりは明らかに多くの刺激を受けて生活が送れます。
役割を持った生活を送りやすい
ホームでは、日常生活には欠かせない食事作りや洗濯、掃除などの家事全般を行います。決してスタッフが全てを行う訳ではなく、出来るだけ役割も持ってもらいながら生活を送ってもらう事も重要な要素となります。
スタッフと一緒に草取りをしたり、スーパーに買い物へ出かけたりと協力して取り組む事はさまざまです。
役割を持ち、必要とされていると感じれる事は、ご本人にとって良い効果を生んだり自信にも繋がります。また、脳の活性化にもなるので、まさに認知症ケアにとって大切な取り組みの一つとなっています。
外部との繋がりも
グループホームは地域に開かれた運営が求められています。
開かれたサービスを作っていくという事は、地域活動にも参加したり、地域の人にも足を運んでもらったりします。
地域の役員(自治会長や民生委員など)を招いて行う運営推進会議という会議をおおむね2か月に1回開く必要もあり、その中でホームの取り組みを伝えたり、介護の実情を知ってもらう事で、地域への協力(例えば有事の際など)も呼べ掛ける機会としています。
ホームの取り組みとしては、外出支援に力を入れている事業所も多く、季節ごとの企画、外食ツアーなど。ホーム全体で一泊旅行に出かけているようなハードルの高い取り組みをされている所もあります。
施設に入居すると、家人が連れ出さない限りは、そのまま施設から出かける機会も持てずに過ごされているケースはざらです。
それに比べると、グループホームは外出する機会を作っている施設がほとんどですので、外部との関りの継続や社会的維持を持つ事にも繋がりやすいです。
入居対象者とは

グループホームへの入居を希望したとしても、入れる入れないの基準もありますのでご紹介します。
認知症の診断が必要
何度も述べている通り、『認知症対応型‥』という名称である以上、何らかしらの認知症の診断がされている必要があります。
認知症には、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症の4大認知症をはじめ、実は70種類ぐらいあるとも言われており、治るとされる認知症と現時点では治らない認知症と分かれます。
グループホームの役割は、アルツハイマー病などの病気を治す事ではありません。
認知症状による物忘れや見当識障害(時間や場所が分からない)、実行機能障害(物事を計画的に進めれない)などの中核障害と呼ばれる障害があります。
中核障害を引き金として、興奮されたり、徘徊に繋がったり、落ち着かなくなったりする症状(行動・心理症状と言う)に対してアプローチをしていきます。
症状を和らげたり、進行を緩和する為に生活を共にする中で、支援していく事が大きな目的です。
要支援2~要介護認定が必要
介護保険を申請された事はありますか?
申請⇒訪問調査+主治医による意見書⇒審査会(介護認定を決める会議)⇒保険者証が各家庭に送付されてくる。といった感じです。
届いた保険者証を確認して下さい。
要支援2若しくは要介護1~5の認定が付いていれば、入居対象者となります。
万が一、要支援1若しくは非該当と記載があった場合には、対象とはなりません。
ちなみに、入居していた方が入居後に更新申請を受けた際、要支援1に認定されてしまった場合には、退居しなければいけなくなってしまいます。(万が一、そのような場合には管理者やケアマネジャーとご相談ください)
ホームと同じ市町村に住所が必要
グループホームは介護保険下における地域密着型サービスに該当します。
地域密着型サービス(略して地密とも言う)とは、地域に根差した運営が求められる事もあり、入居が出来る対象者は、その市区町村に住所がある方のみとなります。
A市在住の人が、B市のグループホームへの入居を強く望んでいたとしても、市区町村が違うために基本的には入居は出来ないという事です。
管轄が市区町村であり、入居に関してのルールや解釈(例えば、A市に親戚が居て住所を移せれる状況で、住所さえ移せれば直ぐにでも入居対象とする事ができる場合等)の違いが多少なりともあります(これをローカルルールと言う)。
まずは希望するグループホームに問い合わせてみて下さい。
気になる費用は?

介護サービスを受ける事で、気になるポイントは、どれだけの費用が掛かるのか?ですよね。
グループホームには、特養や老健と言われるような介護施設とは違い、減額免除の措置はありません(多少の補助が出る市町もあるみたいですが・・)ので、費用は高く見られがちです。
グループホーム入居中に必要となる費用は、
居室料、食材料費、水道光熱費、管理費など・・ただし、事業所によっては取っていない項目も。
あとは、受診代(訪問診療など)、お薬代などの医療費。
それから、紙おむつ代や日用品などの消耗品費。
といったところでしょうか。
ホームの取り組み状況やお住まいの物価によっても差がありますが、
概ね15万~18万円/月
ぐらいが多いです。
「年金だけじゃ入れないね」と聞く事がありますが、実際に国民年金だけでは難しく感じます。
また、入居一時金という形で入居時に数万円~数百万円かかるホームもありますので、電話や見学の際には確認をお願いします。ゼロ円のホームも勿論あります。
入居後は生活が何年送れるかで、トータル費用に大きく違ってくるとは思います。
後々に「こんなはずではなかった・・(‘Д’)」とならない為にも、出来る限り納得のいく形で入居を決めて下さい。

まとめ

ここまでお読みいただきありがとうございました。
この記事では、グループホームの特徴を説明してきました。
❶職員配置が厚い
❷役割を持った生活を送りやすい。
❸外部との繋がり。
そして、入居対象者は
❶認知症の診断が必要。
❷要支援2以上、要介護1~5の認定が必要。
❸ホームと同じ市町村に住所が必要。
以上です。
グループホームは認知症ケアの要とも言われます。
大規模施設では対応出来ないと言われた困難ケースの方でも、小規模で個々との関りが蜜となるグループホームにおいては入居が可能だったりします。
認知症状がひどくなるまで家族だけで無理してしまうと、家庭崩壊に繋がる事も危惧されます。
1人で悩まず、家族だけで悩まずに、まずは地域の窓口や相談員にお問合せ下さい☝

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