
どうも、ケア人あがちょ(@careninagacho)です。
今では認知症を理解する上で、ネットや教材、研修などいろいろと情報収集が出来る世の中です。
そして、認知症の事を深堀していくと、とんでもなく奥が深い事が分かってきます。
認知症についての知識や、認知症対応のスキルを上げる為の民間資格もあるぐらいです。

今回は、認知症の理解を求める上で国も推奨している【認知症サポーター養成講座】について説明をしたいと思います。
認知症サポーターの意味

そもそも認知症サポーター養成講座って聞いた事はありますか?
認知症サポーターキャラバンと言って、認知症の人とその家族への応援者である認知症サポーターを全国で育成して、認知症になっても安心して暮らせる町づくりを目指す事を、日本の国家的な取り組みとして進められてきました。
なぜ、そんな取り組みが必要なのか?
それは、今後の日本では更に少子高齢化が進むことが分かっており、尚且つ、その状況に伴い、認知症患者も増え続ける事が予想されている為です。
待ったなしの状況であり、2040年(令和22年)ともなると、およそ4人に1人(935万人)がは認知症患者となると推測されています。
今後も増え続ける認知症患者にとっても、認知症という状態がどういった事なのか?本人や家族が何を考え、何に困っているか等を少しでも身近に感じてもらう事は重要な事です。

オレンジリングの意味

上記の写真の物を見たことはありませんか?
これはオレンジリングと言います。
仕事の邪魔になるかもしれないので腕に付けている人はあまり居ないと思いますが、首からぶら下げている名札と一緒に付けている人は時々見かけます。(介護業界の人だと多くの人は付けていますけど・・)
このリングは、サポーター養成講座を受講する事で手に入る物です。
サポーター養成講座を受けたことで、認知症の人を支える(サポート)する為に認知症の理解が一歩進んだという証明にもなります。
何をサポートするの?
って思われたかもしれませんが、なにも特別な事をする必要はありません。
受講したからといって、課題が出される訳でもありませんし、ノルマが課せられるわけでもありません。
認知症の理解が少しでも深まった人である証明となりますので、万が一どこかで認知症の人と会話をする機会があれば、その人の気持ちに寄り添った関りが出来る人(サポーター)が増えていく事が望ましいですね。
受講する人は?
では、どんな人に受講を勧めているのかと言うと・・・
どなたもです。皆さんです。
先にも述べた通り、認知症の正しい理解を深め、寄り添った関りを持てる人を少しずつ増やしていく事で、認知症の人やその家族が暮らしやすい世の中になる事が理想的です。
よって、どんな人にも知って欲しいし、理解を深めて欲しい・・これが結論です。
主な受講先

私自身も、認知症サポーター養成講座を教える側の人間(キャラバン・メイトと言う)として、過去に何度か出向いたことはあります。
・小学校の生徒(6年生対象):教室や体育館にて
・一般企業の職員:会議室にて
・地域住民:公民館にて
・区役所の職員:役所の会議室にて
このように受講される人の年齢や団体もさまざまです。

この他にも例えば、消防団員や郵便局員、中・高校生、シニア倶楽部、ヤクルトスタッフや新聞配達員など、さまざまな業種や団体にも知って頂けると良いですね。
養成講座について

サポーター養成講座を受けるには、団体(企業や地域住民など)の代表者が各行政の担当課へ開催の申し込みをする必要があります。
※養成講座の申込書の記入が必要となります。
詳しい事は行政の担当者に直接教えてもらえると思います。
その後、行政担当者からキャラバン・メイト(教える人)へ依頼を掛け、日程や場所等の調整を行う事になりますので、希望日等があればお早めにお申し込みをされると良いかと思います。
まずは、それぞれの団体において、前向きに受講について検討をしてみて下さい。
養成講座の内容
講座は約90分間の受講時間となります。
90分間の講義では、
・認知症サポーターキャラバンとは ・認知症を理解する(行動・心理症状やその支援方法、診断や治療、心構えなど) ・認知症サポーターのできる事
を学びます。
講義だけではなく、キャラバン・メイト(教える人)によって多少違いもありますが、中には寸劇(認知症高齢者とその家族の関り方について等)を通じて、認知症介護の実態をよりリアルに感じもらえるように工夫しているメイトもいます。
当然、小学生を対象とする場合と大人を対象とする場合では、言葉の理解にも大きな違いがありますので、小学生に対して講義をする時は、難しい言葉は極力省き、出来る限り分かりやすく工夫していると思います。
目標人数
認知症サポーター養成講座を受講すると、サポーター数がカウントされます。
平成17年度から開始した「認知症を知り地域をつくる10ヵ年」構想の一環である「認知症サポーター100万人キャラバン」は、認知症サポーターを全国で100万人養成することを目標にしていました。
その後も目標を大きく更新続け、令和3年6月時点では全国で1300万人を突破しています。
つまり、日本全国の約10人に1人が受講をされたという結果です。
これはスゴイことですね(^^♪
コロナの影響もあり、この1年間では集団での研修や講座も開きにくい状況が続いていますが、それでも地道に活動されているキャラバン・メイトも居ますし、受講を希望される団体もあります。
キャラバン・メイトとは?
ちなみに、キャラバン・メイト(教える人)について触れていませんでしたので、ここでお伝えします。
認知症サポーター養成講座を企画・開催し、講師を務める人を言います。
キャラバン・メイトになるには、キャラバン・メイト養成講座に受講する必要があります。
この講座を受講される人は主に、介護・医療従事者、行政職員、包括職員、相談員、民生児童委員などが対象となっています。
地域住民等へのアプロ―チをする事で、正しい認知症の理解を広めていく事がキャラバン・メイトの使命でもあります。
忘れちゃいけない、ロバ隊長(;’∀’)
認知症サポーターキャラバンのマスコットキャラクターでもある、ロバ隊長に触れておきます。
なぜロバ?
って思いましたよね。
ロバは馬よりも走るスピードがゆっくりゆっくりのイメージではないでしょうか。
「認知症になっても安心して暮らしていける町づくり」への道のりを、ロバのように急がず、でも着実に一歩一歩前に進んでいく事を目指しているという意味があるようです。

ロバ隊長もリングもオレンジ色をしていますが、オレンジは暖色系の色であり、高齢者にも認識しやすい色(逆に青色等の寒色系は見えずらい事がある)とされ、あたたかさを感じさせるこの色は「手助けします」という意味を持っているそうです。

↑ちなみに、こちらのロバ隊長3体は、数年前に私が夜なべ?して作りました。
外はフェルト、中には綿が入れてあります。
型紙は、「認知症サポートキャラバン」から購入して取り寄せました。
ずっと事務所に置いていますが、何だか愛着が湧いています☺
まとめ

今回は、認知症の正しい理解を深める為の認知症サポーター養成講座についてお伝えしました。
日本全国で着実に受講者が増えていることは喜ばしい事です。
講座の目的の通り、認知症の正しい理解の輪が広まる事で、地域で認知症により困っている人や家族が委縮することなく、その人らしく暮らしてもらえる世の中になっていくことを望みます
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