
どうも、ケア人あがちょ(@careninagacho)です。
高齢者になって、一人暮らしだったり体の衰えや認知症になった事で、自宅では生活が難しくなってきた場合に、介護を受けられる施設への入居を検討するようになります。
ご自分で着替えたり食事やトイレ動作など保たれている人でも、

「自分で着替える事も大変だから、早くどっかの施設に入りたい。」
「いろいろと面倒だから、何でも手伝って欲しい」
と、生活上の負担感や意欲低下に伴って、自ら入所を強く希望される人もいます。
どこの施設でも同じサービスが受けられる訳でもないですし、月々の料金にも大きな違いが出てきます。
全国的に増えてきたサービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住と略します)についても、入所先の候補に入るかと思います。

知らない人もまだまだ多いようですので、ココで改めて紹介していきたいと思います。少しでも今後の施設検討の参考にして頂ければ幸いです。
入居(入所)が出来る施設とは?

入居(入所)施設を考えていくタイミングになった時に、特養(特別養護老人ホーム)や老健(介護老人保健施設)がよく知られている事と思います。
特に月々の費用に関しては、一定の手続きを行えば減免措置(特定入所者介護サービス費と言う)が対象になる人も居ます。
対象となれば、入所中の食費や居住費の負担が減額されるという制度が適用されますので、費用面において比較的安価に入所利用が出来る事が大きなポイントとなっています。
ひと昔前よりかは、特養の入所に関して要介護3以上(※特例もあり)に人が対象になった為、入所待ちの人も減っている実情もあり、以前に比べると入所までに時間が短縮されたという話も聞きます。
実際に、入所までに数百人待ち⁈っていう施設もある一方で、特養の相談員が部屋空きを埋める為に営業に回っている施設もあるようです。
とは言え、まだまだ特養への入所希望をされる人は多い気がします。
サービス付き高齢者向け住宅
特養は昔から多くの人に知られている施設だと思いますが、サ高住に関しては知らない人も多いです。
サ高住の先駆けは、高齢者専用賃貸住宅(高専賃と呼ばれていました)であり、その名の通り、高齢者の人しか入居ができない賃貸住宅(アパートが主)です。
しかし、2011年の改正により廃止となりました。
代わりに、2011年に改訂された『高齢者の居住の安全確保に関する法律』(2001年施行 高齢者住まい法)により、サービス付き高齢者向け住宅という施設形態が知られ始めました。
特養に比べれば詳しく知られていない事も多いですが、その大きな違いは以下の通りです。
特別養護老人ホーム | サービス付き高齢者向け住宅 | |
介護認定 | 要介護3以上の認定が必要 | 要介護認定、要支援認定でもOK(受け入れ住宅で違いもありますので、事前確認は必須) |
費用 | 軽減制度あり。(該当すれば、10万円以下での入所も可能) | 軽減制度なし。入居一時金が0円の施設も多いが、月々の料金は約15万~30万前後と住宅によっては大きな金額差がある。 |
受けられるサービス | 排泄、入浴、食事など基本的には全ての身体介助を受ける事ができる。 | 生活相談サービス、安否確認サービスは必須であるが、その他のサービス(身体介助、生活援助など)は介護保険を利用して、それぞれで契約を結ぶ必要がある。 ※住宅の付加価値により、介護保険利用しなくても、サービスの一環として定期的な掃除などを行ってくれる所もある。 |
全国の施設数 | 約8000ヵ所 | 約7,500ヵ所(令和2年時点) |
特養を開設・運営できる法人は、社会福祉法人又は自治体のみとされています。公的な側面があるせいか、特養の設備や料金、サービス内容に関しては、どこも大きな違いはないように感じます。
一方、サービス付き高齢者向け住宅に関しては、営利法人とされる株式会社が運営している事が多い事もあり、付加価値を付け独自のサービスを打ち出したり、利用料金に関しても違いがあります。
サ高住を選ぶ際は、一か所だけで決めずに数か所のパンフレットに目を通されることをお勧めします。
有料老人ホーム
特養とサ高住の違いは、要介護度の要件、費用面が大きな違いでした。
では、有料老人ホームに関しては、どんな特徴があり、どんな違いがあるのでしょうか。
どちらかと言えば、有料老人ホームとサ高住との違いは分かりにくいのかもしれません。
ここからは、有料老人ホームについて説明します。
介護付き有料老人ホーム
『介護付き』と名称にも書いている通り、入居すると24時間の介護が受けられます。
身体関わる全般的な介助が受けられ、寝たきりとなっている状態の人でも安心して暮らすことができます。
また、看護師による体調確認や、必要に応じての医療行為(インシュリン、在宅酸素の管理、褥瘡の処置など)も可能です。
毎日の食事提供は当然ありますし、飲み込み(嚥下機能)や咀嚼状況に応じての食事形態の調整も可能です。
その他、生活の中での取り組みとして、リハビリや体操、レクリエーションや季節毎のイベント企画など、力を入れている事はそれぞれの施設でも違いがあるかと思います。
■介護付き有料老人ホームの入居条件
◎要介護1~5の認定を受けている必要がある。
◎60歳以上、又は65歳以上であること。(40歳以上の人でも特定疾病があり、介護保険認定を受けている人も入れる事もある。)
住宅型有料老人ホーム
一方、住宅型は必ずしも介護が必要な人が入居する訳ではありません。
つまり、要介護者でなくても入れたりします。
自立の人、要支援の認定を受けている人、要介護の人、それぞれの段階において入居ができます。
ただし、どこの住宅型でも受け入れている訳ではありません。
施設ごとに「自立していて介護認定を受けていない人でも入れます」という施設もあれば、「要支援や要介護認定を受けている人に限定しています」という施設もあります。
また、介護付き有料に比べると、認知症の症状による懸念、医療行為の必要性による懸念に対して、入居対応が難しいと断られるケースもあります。
まずは希望する施設の受け入れ状況を確認しておきましょう。
■住宅型有料老人ホームの入居条件
◎自立、要支援、要介護者でも入居が可能(施設によっても対象としてる枠に違いあり)
◎60歳以上、又は65歳以上であること。(40歳以上の人でも特定疾病があり、介護保険認定を受けている人も入れる事もある。)
介護付き有料との大きな違い
そして、介護付き有料との大きな違いは、施設と契約しただけでは24時間の介護が受けられる訳ではないという事です。
例えば、週1回ぐらいは居室清掃に入ってくれたり、毎日の食事提供などに関しては、入居する事で受けられる生活援助サービスの一環とも言えますが、認知症の進行が気になる人や身体の低下がみられ入浴も一人では心配になってきた人など、身体的な介助を要するようになれば、生活援助としてのサービスだけでは事足りなくなる事実も出てきます。
そうなれば、デイサービスに通ったり、ヘルパーに訪問してもらったりする事も考えなければいけません。
そのような時には、入居時の契約以外にも、デイやヘルパーとの利用契約を結ぶ必要があります。無論、月々の入居料金以外での料金がプラスされる為、利用回数などは家族やケアマネジャーと相談してください。
また、住宅型有料老人ホームの館内には、併設しているデイサービスやヘルパー事業所を完備している施設も多い事もあり、臨機応変な対応が可能とされています。
健康型有料老人ホーム
健康型は3種類のホームの中でもマイナーですし、全国的にも設置数が少ないので、一番聞きなれない有料老人ホームと言っても間違いありません。
名称の通り、基本的には健康で自立した生活ができる人が入居対象となりますので、高齢に伴い介護が必要になった人は退去を勧められる事となります。
健康を維持する為にも、トレーニングルームやサークル活動を始めアクティビティが充実していることがポイントです。
食事提供、その他にも生活援助(居室清掃や洗濯など)も受ける事ができます。
■健康型有料老人ホームの入居条件
◎介護の必要がない自立している人。
◎60歳以上の年齢制限を設けている所がほとんど。
自立しているが、1人暮らしで他人との交流が図れずに寂しく暮らしている人、健康でありアクティブに生活を送りたい人などが入居を検討されると良いかと思います。


それぞれの施設におけるメリット・デメリットは⁈

ここからは、それぞれの施設において気になるメリット・デメリットを確認しておきましょう。
サ高住のメリット・デメリット
■サ高住のメリット
◎自立した状態からでも入居ができ、介護が必要な状況になっても、そのまま入居を続ける事ができる。(施設の受け入れ状況で違いもある)
◎一般的なアパートと違い、施設には生活上で困る事や今後について、相談員が常駐しているため気軽に相談をすることができる。
◎食事は基本的には3食提供してもらえる。
◎買い物や受診等の外出や外泊の自由度が比較的高い(施設ごとにルールがある為、一概には言えないが・・)
■サ高住のデメリット
◎不動産契約に基づく賃貸住宅の為、契約時には連帯保証人が必要です。
◎施設の受け入れ状況によっては、要介護認定を受けると退去を勧められる所もあります。
◎逆に、状態が改善して要介護状態から要支援(または自立認定)に認定が落ちた際に、継続した受け入れを拒むような施設も散見されるようです。
有料老人ホームのメリット・デメリット
■有料老人ホームのメリット
◎特養では入れない要介護1~2の人でも対象となる「介護付き」、自立の人や要介護の人でも対象となり、臨機応変にサービスを組合すことが可能な「住宅型」、自立してアクティブに生活を送る事ができる「健康型」と、それぞれの状況に合わせた窓口がある。
◎個室であり、設備が充実している。
◎生活支援(食事、掃除など)のサービスが受けられる。
◎季節ごとのイベントやレクリエーションなどが充実している。
■有料老人ホームのデメリット
◎特養に比べて、費用が高い傾向にある。(軽減制度がない)
◎入居一時金が数十万~数千万円と高額な費用が掛かる施設もある。
◎健康型の場合は、介護が必要な状態となれば退去しなければいけない。
まとめ

ここまでお読みいただきありがとうございました(^^♪
サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームは、今後も増え続ける高齢者の受け皿としても重要な役割を担っています。

「そろそろ一人暮らしに不便を感じてきた。」
「これからの事を気軽に相談したり、安心して生活を送りたい。」
自宅生活ではいろいろと不便だし、年を重ねる毎に不安が増加していく事を危惧して、入居を考える人にとっては、居心地の良い環境で暮らしたいと考える事は当たり前の事です。
地域によって設置数にも、かなりの差がありますし、希望しているサービスが受けれない事もあるかもしれませんが、まずは該当する施設なのかどうかを知っていく事が大切です。
介護や今の生活に不安な事があれば、担当しているケアマネジャーや地域包括支援センター、行政の担当課も窓口として活用して頂きたいと思います。

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