
どうも、ケア人あがちょ(@careninagacho)です(^^♪
デイサービス(通所介護)を運営している事業所では、日々の利用者数(稼働率)に悩まされていませんか?
デイ運営の継続には、安定した利用者の確保が必須となります。

今回は、デイサービス利用者の稼働率アップを目的とした営業方法について説明します。少しでも参考になれば幸いです♪
デイサービスの基準のおさらい

介護保険サービスには、それぞれに決められた運営基準や人員基準、設備基準とされるものがあります。
まずは、基本的な基準のおさらいをしておきましょう。
運営基準
運営基準は、簡単に言えばデイサービス運営に求められている要件(通所介護計画書の作成、定員以上に利用者を預からない事、衛生管理など)の事であり、要件を守らずに経営をしてると運営基準違反として、最悪のケースだと指定取り消し(デイサービス運営が出来なくなる)になる場合もあり得ます。
設備基準
設備基準に関しては、静養室や相談室・事務室の確保、食堂及び機能訓練室(1名の利用者に対して3平方メートル必要)などの決まりがありますので、こちらも合わせて守らなければいけない要件です。
人員基準
そして、介護サービスにおいては切っても切り離せない、人員基準も確認しておきましょう。
管理者 | 原則として専従で常勤の者をおく。兼務は可能。 |
生活相談員 | 単位数に関わらず、提供時間数に応じて専従の生活相談員(社会福祉主事、社会福祉士、介護福祉士、介護支援専門員その他)を1人以上おく。 |
介護職員 | 単位ごとに平均提供時間数に応じて、専従の介護職員をおく。 ※必要数は15名までは1人以上。20名以下は2人以上。その後は、25名以下は3名以上、30名以下は4名以上、35名以下は5名以上・・となる。 |
看護職員 | 専従で1名以上おく。ただし、複数人いる場合は兼務も可能。 また、病院などの訪問看護ステーションとの契約を結び、適宜、連絡体制や連携が図れている場合は、人員基準が満たされる。 |
機能訓練指導員 | 専従で1名以上おく。資格要件は、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、准看護師、柔道整復師、あんまマッサージ師、はり師又はきゅう師の資格保有者。(※はり師及びきゅう師については、6ヵ月以上の機能訓練指導の経験が必要) |
利用定員(通常型、大規模型など)や地域密着型(19名以下)によっても、必要とされる要件に違いもある為に注意が必要です。
「すっかり忘れてた・・」では済まなくならないように(-_-;)
デイサービスはレッドオーシャン⁉

デイサービスは日本全国で4万ヶ所以上あることを御存知ですか?
別の記事でも載せましたが、コンビニの大手であるファミマ、セブン、ローソンを合わせた数に匹敵するぐらいの数らしいです(゚Д゚;)
地域格差はあるでしょうが、それにしても多くの事業所が存在している訳です。
そんな中で、利用をして頂くわけですから、利用者の取り合いになっているような状況も理解できますよね。
既にデイサービスは、レッドオーシャン(競争が激しい市場や業界の事を指す)という事です。
競争が激しい中で勝ち残れないと淘汰されていきます。
それが、現状のデイサービス経営の実態であり、事実2020年の介護事業の倒産件数は118件(デイ以外の事業も含む)と過去最多となっています。
この厳しい経営状態は今後も増加していく事だってあり得る訳です。
厳しい経営をいかにして乗り越えていくかは難題であり、それぞれの事業所がしのぎを削っている事かと思います。

「キミ~、ちゃんと営業しているのかね?利用者が増えないとキミ達の給料払えないんだよな!」
普段から、そんな上司の言葉の圧力に、胃が痛くなっている人もいるのではないでしょうか(*_*;
デイサービスは特色も違う

一言でデイサービスと言っても大きく分けて4種類に分類できます。
その人その人で、求めているサービス内容や形態も違いますよね。

「もっと体を動かしたいと思っていたのに、何だか運動する時間が少ないな~」
「他人とあまりペチャクチャおしゃべりはしたくないんだよな~」
こんな事にならない為にも、事前に確認が必要です。
多くの事業所ではお試し利用が出来ますので、まずは一度体験をしてみて、その場の雰囲気や時間の流れを確認しておくと、サービスを納得した形で始められるかと思います。
こちらの記事で説明していますので、ご確認ください↓
それぞれのデイの特徴を確認
それぞれのデイの特徴を捉え、どういった方が対象者となりやすいのか、どういった方を紹介しやすいのかを考えてみます。
❶認知症の進行もあり、自宅に1人でいる時間を極力少なくしたい人。
❷いろんな人と会話や交流を意欲的に図りたいと思っている人。
❸日中と夜間をしっかり分けて、昼夜逆転しないように考えている人。
❹自宅での入浴は不安・負担だと感じている為、デイで入浴を済ませたい人。
❺延長サービスが可能であれば、夕方以降もなるべく遅くまで預かって欲しと思う人。etc
❶運動メインを希望、体を動かして歩行や生活動作の維持向上を目指している人。
❷入浴や食事には困っていない人。
❸長い時間は時間拘束されたくない人。
❹朝はゆっくりして、午後から出かけるゆとりが欲しい人、逆に午後からは用事があるので、午前中にデイ人。 etc
※認知症デイには「単独型」「併設型」「共同型」とあります。また、利用には認知症の診断が必要であり、 事業所と同じ市区町村に住んでいない人は利用ができません(地域密着型)。
❶徘徊などの認知症による行動・心理症状(BPCD)が顕著に見られ、通常のデイでは対応が困難と考えられる人。
❷認知症の診断が出ており、いずれ認知症グループホームに入居を検討している人。
❸認知症対応に精通したスタッフも多く、利用者定員も少ない為、手厚いサポートを受けたい人。
❹認知症対応の家族負担を少しでも解消したい人。 etc
※要支援の人、看護師の観察が必要でない人、事業所と同じ市区町村に住んでいない人は利用ができません(地域密着型)。
❶看護師配置が厚い為、安心してデイに通いたいと思っている人。
❷通常のデイサービスでは断られる様な医療行為(気管切開など)が必要となった人。
❸療養上の家族負担を少しでも解消したい人。
❹難病やがん末期の人。
❺自宅ではお風呂に入れない人。 etc
以上、大きく4つに分類すると上記の様になります。
デイサービスでも対象となる状態やルールもありますので、ケアマネや相談員は家族に紹介する前には要チェックですね。
事業所の強みをアピール
さらに、自施設の強みや特徴を生み出そうと取り組んでいるデイサービスはいろいろとあります。
例えば、
◎作業や手伝い等の役割作りに特化したデイサービス(お仕事デイ、働くデイなど)
さまざまな作業項目の中で、一人ひとりにやりたい事を選んでもらい役割を作ります。また、その対価として施設内通貨を用いることで遣り甲斐にも繋がります。
◎入浴に特化したデイサービス(入浴特化型デイ、温泉デイなど)
お風呂好きの人、急かされて入りたくない人、温泉気分で入りたい人などに好まれます。
◎歩行に特化したデイサービス(歩行訓練特化型デイ、歩くデイなど)
機能訓練の中でも歩く事に特化しているので、バランス力に不安な人や歩行不安定な人にはお勧めです。
◎食事に特化したデイサービス(お食事特化型デイなど)
元一流料理店で腕を磨いた調理人が昼食を作るといった感じで、食事の時間に重きをおいています。より美味しい食事を食べたい人にはお勧めです。
◎アクティビティ特化型デイサービス(カジノ型デイなど)
アクティビティとしての楽しみ事や趣味活動に力を入れている感じです。施設内通貨などを用いてカジノの様にカードゲームやルーレット、麻雀などを使用して楽しんでいる様です。
(呼び名はさまざまです)
全国には思いもつかないような発想で、特徴やウリを作って差別化を図っている事業所があります。

うちのデイは、何処よりも入浴の時間に重きをおいています。
希望する時間に入ってもらえたり、温泉気分で入ってもらえるように専用の機会も入れてます。
特徴があるディサービスだと、相談者の困り事や要望にマッチするか否かが分かりやすいので、ケアマネとしては紹介しやすくなります。
営業方法を確認

デイサービス含め介護業界における『営業』というイメージは、現場の人からしたら、あまりピンとこないかもしれません。
福祉・介護業界における仕事で営業をする事は、何だか卑しいと考える人がいますが、全くそんな事はありません。
そもそも、高齢者を支える仕事、またその家族を支える仕事の訳であり、この仕事が世の中に無くてはならない事実と、その為には支える人材(スタッフ)が必要な訳ですよね。
そしてスタッフにはそれぞれの生活があり、生活を守るための給与確保は絶対条件です。
安定した経営無くして安定した給与は払えません。
その為にも、デイでは1日の利用者数を上げる事、入居施設であれば空床を埋める事が重要です。
営業はその為の活動でもあり、営業担当者は効果を上げていく為の試行錯誤をしているわけです。
主な営業先は?
では、デイサービスの営業と言っても、どこに行けば良いのでしょうか。
◎デイサービスの主な営業先(紹介する担当者)
■居宅支援事業所(ケアマネ)
■地域包括支援センター(主任ケアマネ等)
■医療機関(医療相談員)
■介護老人保健施設(施設相談員)
■サービス付き高齢者向け住宅、住宅型有料老人ホーム(相談員) etc
上記の中では、特に在宅介護サービスの利用者確保の為には、居宅ケアマネからの紹介が必要不可欠だと感じます。
なので、居宅が併設しているデイサービスは、併設居宅より紹介を受けやすい傾向にありますよね(※但し、居宅としては集中減算に該当しないように紹介数のコントロールが必要になりますけど・・)
それが併設の強みです。
居宅ケアマネも包括支援センター等から新規利用者を紹介された後に、必要なサービスを本人や家族と共に考えいく中で、ケアマネはニーズに合ったデイサービスをピックアップし、本人・家族に紹介する流れになります。
この時点で、居宅ケアマネから紹介をしてもらう為の、デイサービスの強みや売り、他のデイとの差別化が図れているか否かが大きなキーワードになってきます。
差別化を図る上では、上記で示した様に○○特化型としたサービス方法は、デイサービスの強みが分かりやすいのがポイントですね。
デイを知ってもらう為の営業ツール
新規獲得や既存利用者の増回へのアプローチなどを働き掛ける中でとても重要な事は、紹介してくれる担当者との信頼関係ですよね。
デイサービスで折角良い取り組みをしていても、デイ営業を担当する管理者や相談員がいい加減では、紹介する側はリピーターになり難いものです。
誠実に営業をしたいものです。
訪問の場合
闇雲にデイサービスの営業を回ろうとしても、なかなか上手くいかないものです。
そして営業先の居宅ケアマネや包括支援センターのスタッフは皆さん日々忙しくしている為、出来るだけ失礼が無いように回りたいものです。
月初はレセプト業務があり、より忙しくしていますので、10日以降~20日前後が良いですね。
時間は早過ぎず、遅過ぎず。10時以降で12時まで、14時頃~17時頃が良いかと思います。当然、12時台は昼食時なので営業は止めましょう。
渡す資料としては、お便りや空き情報、お試し利用案内などがベターですね。
また、イベント情報や季節毎の企画など、目を引く様なチラシも良いですね。
写真や文章だけではなく、例えば機能訓練の様子を事前に撮影しておき、動画を見てもらう事でよりリアルにイメージしてもらえやすくなります。
どちらにしても、長い時間を取らないように注意したいとこです。
電話の場合
直接会って、デイの様子を伝えたり、資料を渡して説明する事で、より理解が深まるかとは思いますが、コロナ禍もあり直接営業は躊躇しますよね。
そんな中では電話を通じての営業も一つです。電話だけでは分かりにくいので、併せてFAXやDMをでチラシ等を送る事もしましょう。FAXは黒く見えずらい事もあるので、予めチラシを印刷したら自分の事業所に送ってみて確認をしましょう。
SNSの場合
現代は、各業界においてSNSの活用は大きなものです。
ツイッター、Facebook、インスタグラム、You Tubeなど、さまざまです。
特にツイッターは拡散されやすい媒体であり、思いもよらない形でバズる事もあります。
食事に力を入れているデイであれば、インスタを活用して料理画像をアップするのも良いですね。
You Tube による施設紹介動画は、既に数多くの施設でアップしています。
今後もSNS活用は重要なツールだと感じますが、肖像権にはくれぐれも注意して下さい。
利用者はもちろんの事、一緒に写るスタッフにも承諾を取っておく必要があります。
個人情報使用同意書等の書面において、SNSの件も含めて明記した上で説明しておけば、後々困らないかと思います。
内覧会の場合
開設前には、外部の人を呼んで内覧会を行いますが、その後は施設内の様子を知ってもらう機会が作りにくいものです。
内覧会と言うと大げさになってしまいますが、例えば半年~1年に1度程度でも、ケアマネや相談員等の外部者を呼び込めるような企画も面白いと思います。
利用者が使用している機械を使って実体験をしてもらったり、食べている食事を試食してもらったり、通常サービス時の様子の上映会など、やり方は様々です。
お便り等の写真を用いての情報発信はするにしても、現地の様子を直接見る事で、装飾など雰囲気を感じ取ってもらう事ができます。
利用者がサービスを受けている時間帯に行うと、利用者も戸惑ったり気になるかと思いますので、サービス提供時間外に行う事をお勧めします。
何よりも口コミが最強の営業
どんな手法を用いて営業活動をするにしても、デイ自体の印象が良いか悪いかで判断されます。
折角、一生懸命に営業活動をしても、地域で事業所の悪い噂を聞いているケアマネからしたら効果は少ないかもしれません。
良くも悪くも噂は早いもので、特に悪い噂はビックリするぐらい回りやすいですね(゚Д゚;)💦
誠実にサービス提供していれば、悪い噂による大きな損害は予防できると思われます。
利用者や家族の評価が、次につながる何よりの営業だという事です。
まとめ

ここまでお読みいただきありがとうございました。
今回はデイサービスにおける営業についてフォーカスして書きましたが、入居施設(グループホームや有料老人ホームなど)でも、基本的には変わりないと思います。
また、特養に関して言えば、以前は何百人待ちというのが当たり前の時代がありましたが、最近では空床の為の営業や案内FAXが送られてくることもあります。
一部の法人を除いて、介護業界において運営が安泰という時代ではないのかもしれません。
これからも高齢者の受け皿として、デイサービスや入居施設は無くてはならないはずですが、その中で各事業所が、サービスにおける質の高さを競い合う事で介護業界全体の相乗効果に繋がり、利用者と施設側がwin-winとなる事が望ましいですね。

コメント