介護サービス利用中に起こりうる【転倒・転落事故】。事故を減らすための防止対策のポイントを解説。

介護職の実態
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どうも、ケアニンあがちょ(@careninagacho)です(^^♪

介護の仕事に就いてから、利用者が転倒してしまった、もしくは転倒しそうになってヒヤッとした経験は誰でもあるのではないでしょうか?

高齢者の転倒・転落事故は本当に多いものです。

転倒した事で骨折したり、最悪の場合は亡くなるケースだってあり得ますよね・・。

介護サービスを提供する側としては、切っても切り離せない問題です。

あがちょ
あがちょ

そこで今回は、転倒事故を未然に防ぐための対策を考えてみたいと思います。

★この記事で分かる事

●高齢者に多い転倒事故。転びやすくなる理由。

●転倒予防の確認ポイントと対策について。

高齢者の事故の内訳

まずは、高齢者の事故がどれぐらい発生しているかを見てみましょう。(以下、東京消防庁による統計を参照させて頂きます。)

出典:東京消防庁ホームページ

平成27年から5年間の推移ですが、年々救急搬送されている高齢者が増えている事が数値上で分かります。

出典:東京消防庁ホームページ

救急搬送者数の内訳です。このように、圧倒的に『ころぶ』事故が多いのが分かります。

なんと約8%!!

次に「落ちる」という事で転落が多い様です。(約10%)

この2つの事故だけで5年間に約30万人の高齢者が搬送されています。

出典:東京消防庁ホームページ

人口に占める救急搬送人員の割合を見ると、年齢が高くなるにつれて割合も増加しており、高齢になるほど転倒に繋がっている事が分かります。

搬送されている人数では、80代が一番目立つわけですね。

出典:東京消防庁ホームページ

住宅等の居住場所(入居施設も含む)が圧倒的に多く、56%にもなります。

また、居住場所の中でも一番多く起こっている所は、

  • ①居室・寝室
  • ②玄関・勝手口
  • ③廊下・縁側・通路
  • ④トイレ・洗面所
  • ⑤台所・ダイニング・食堂

居室・寝室が約70%を占めています(-_-;)

上記の数値は東京消防庁の救急搬送者数にはなりますが、全国的な数値をみても大きく乖離している訳ではないと考えます。

つまり、

全国的に見ても、高齢者による転倒事故が一番多く発生しており、自宅及び居住する施設の居室・寝室で起きている事がお分かり頂けます。

なぜ転びやすい⁉

救急搬送されるケースでは転倒による事故が多いわけですが、高齢者はなぜ転ぶリスクが高くなのでしょうか。

転倒の原因として大きく分けると、

①利用者側の原因

②介護者側の原因

③環境による原因

と分けることが出来ます。

あがちょ
あがちょ

当然、転倒事故の背景には理由があります。

いくつか原因を見てみましょう。

疾患によるリスク

加齢により体調が崩れやすくなります。

高齢者に多い疾患として、高血圧症、高脂血症、肝機能、腎機能、関節リウマチ、白内障・・・・いくつも併発してる場合もあります。

例えば血圧の変化によっても、フラつきが見られます。特に朝起きて間もない場合は、起立性低血圧によるフラつきで転ばれるケースもあります。

変形性膝関節症の為、脚がまっすぐ伸びなくなると、前傾姿勢になり、体の重心が前方によったりする為に転びやすくなります。

この他にも、転ぶ要因になりえる疾患はあるわけです。

筋力低下に伴うリスク

年を重ねると筋力の低下もみられます。

筋力低下をサルコペニア(筋肉減少症)とも言います。60歳以上では5人に1人が有病しており、年齢が上がれば上昇していきます。

筋肉低下の主な原因は『運動量の減少』と『栄養摂取の不良』とも言われています。

筋肉は使えば強くなり、使わなければ弱くなります。

運動量が減れば筋肉を動かす事も減る訳ですので、衰えていくのは必然的なことです。

また、食事内容も筋肉を作る為には、タンパク質アミノ酸が必要ですが、加齢により咀嚼力や嚥下機能の低下もみられると、摂取量も十分とはいかなくなります。

結果的に筋肉低下によって、足を十分に上げられず段差でつまずく、動き出しや方向転換した時にバランスを崩しやすくなる等により転倒する場合もあります。

認知症に伴うリスク

加齢に伴い、認知症の症状が見られ始める事もあります。

主には脳内細胞の死滅や障害によって引き起こされる症状な訳ですが、その症状に危険が潜んでいます。

例えば、記憶障害がある事により「転んだ経験」を忘れてしまいます。一人で歩くが不安定にも関わらず、一人で歩いてしまう事で転びやすくなります。

危険認識力判断力の低下も見られれば、椅子の上に立つ、濡れた床を歩く等の明らかに危険な行動をとってしまう恐れも出てきます。

また、空間認識力の低下も要因となります。

頭頂葉(頭の頂点部)で司っている機能であり、頭頂葉の脳機能が衰えると、位置感覚や高低差などを適切に認識できずに、段差につまずく事や動線の障害に気が付かずにぶつかってしまう事もあります。

認知症の人
認知症の人

「早く家に帰りたい」「何で知らない人が話しかけて来るだろう」

現状が分からず、今置かれている状況の理解が難しくなると、イライラしたり、ソワソワしたりします。気持ちの焦りや不安感から、足早にその場から離れようとしたりする事で転倒に繋がるケースも。

物的環境(動線)によるリスク

入居施設であれば動線も保たれ、床もキレイに整備されているとは思いますが、自宅では危険性が多く潜んでいます。

  • 段差が多い。
  • 床が滑りやすい。(特に浴室)
  • ベッドが高すぎる。
  • 滑りやすそうなスリッパを履いている。
  • 電気器具のコードが動線上にある。
  • 座布団が無造作に置いてある。
  • カーペットの端。
  • 掴まる手すりがない。
  • 電気が暗い。
  • 開けにくいドア。
  • 立ち上がりにくい椅子。 etc
家族
家族

こんな事でも転ぶの⁉

気にもしてなかったわ・・(-_-;)

同居している家族も、「どういった場面が危険なのか?」「転倒原因となりえるのか?」の理解が乏しい人もいます。

また、転倒事故は自宅内に限ったことではなく、施設の環境下であったとしても、動線に障害となる物が多く置いてあったり、床が濡れているのに拭いていないベッドの高さが適切ではない等の原因から転倒に繋がるケースもあります。

薬による副作用によるリスク

薬を何錠も服用されている人も少なくありません。

中でも、「夜寝れなくて・・」との理由から就寝前に薬を服用している人は多くみえます。

不眠薬の薬としてよく使われるベンゾジアゼピン系睡眠薬は、飲んだ後や夜中に目が覚めてトイレに行く時などにフラついて転倒しやすい薬と言われています。

また、高血圧症に使われる薬(血圧降下剤)は、血圧を徐々に下げていきますので、薬が効き過ぎると立ちくらみや転倒を招く恐れもあります。

この他にも、フラつきによる転倒の恐れが出る薬の副作用はありますが、必要なため処方されている訳なので、薬は自己判断で中止せず、主治医への相談を必ずして頂きたいと思います。

予防する為のポイント

転倒を引き起こす要因をいくつか紹介しましたが、転倒を防ぐにはどのような対策が必要となるのでしょうか。

あがちょ
あがちょ

日々の生活において、ケガをせず過ごしたいものですよね。

ポイントを一つずつ確認してみましょう。

健康状態の把握

何と言っても体調が悪いと良い事ありませんよね。

病気に起因する転倒リスクを軽減するには、自分自身の体調を理解する事が重要です。

◎起立性低血圧でフラつきを起す人は、ゆっくり起き上がり、ベッドに腰掛けてから間を空けてから立ち上がる。

◎膝関節症で関節が思う様に伸びず歩きずらさを感じている人は、歩行時の補助具の使用や福祉用具貸与(レンタル)も検討する。

高齢者
高齢者

デイに来たけど、今日は何だか体調がすぐれんのだよ・・

体調がイマイチであれば、いつもの様な動きがとれない事もあり、転倒の要因になります。

日々の体調の変化に関しては、月に1度かかる医師よりも、週に何日も見ているデイサービスのスタッフの方が理解している事もあります。

言葉で教えてくれる利用者ばかりではないので、スタッフはバイタル(血圧や脈拍など)だけでは見えてこない、表情や活気などからも体調の良し悪しの確認も。

普段は独歩で歩いていたとしても、歩行の様子を確認の上、福祉用具の使用の声掛けも必要な事ですね。

筋力の低下予防

筋力やバランス感覚の低下も危惧するところですね。

予防する為には、普段から少しづつでも体を動かす時間を作りたいものです。

普段からの散歩(ウォーキング)はとても良いとされます♪

無理ない距離から始めて、少しずつ距離を伸ばす事を目標にされると張り合いになります。

しかし、散歩に関しては天候によっては外に出れませんし、真夏や真冬には特に注意ですね!

そういう時は、自宅内でも可能で安全に行える運動や体操をお勧めします。

①椅子に座ったまま、足踏み運動。

②椅子に座ったまま、膝を伸ばして踵の上げ下げ運動。

③座ったまま、爪先上げ伸ばし運動。

④足指を広げたり閉じたりのグーパー運動。 etc

(文章だけでは伝わりにくいですよね・・・^^; 是非、この機会に『ごぼう先生』をご参照ください↓)

【高齢者向け】座位で3種類の足踏み体操!ごぼう先生流の脳活性方法!
出典:gobou先生

とは言え、運動しても筋力の維持・向上は加齢とともに難しくもなります。

自分自身の足だけではバランスを崩しやすい、フラフラする場合は、福祉用具に頼る必要性もあります。

在宅で生活されている人であれば、まずは担当ケアマネ等にご相談ください。

一人ひとりに合った福祉用具(歩行器や手すり等)を選定してもらえ、1割負担者であれば、月々数百円程度で借りられます。

施設であれば、それぞれの身体レベルの見極めが重要です。

介護スタッフ
介護スタッフ

「歩かせると危険だから」

「下肢筋力も衰えているから」

極論、歩いていて転倒するリスクのない人はいません。

若者だって、スポーツ選手だって転ぶ時は転ぶものです(゚Д゚;)

歩くのが危険だからと言って歩かなくなると、本当に歩けなくなります。

時には車いす(長い距離の移動や不安定な場所)の使用も必要ですが、歩けるにも関わらず、最初から最後まで車椅子に座らせることはNGです。

危険回避の為に「歩く」機会を奪うのは転倒予防ではありません。

転倒リスクの軽減を図るには、リハビリが必要なのか?、どういった機能訓練が合っているのか?、どんな取り組みをしたら効果的なのか?どんな福祉用具が適切なのか?・・・

そういった事を、多職種で共有しながらチームアプローチする事が重要です。

認知症へのアプローチ

認知症の中核症状となる、短期記憶障害や見当識障害などは根本的に治るものではありません。

私たちに出来る事と言えば、その周りにある『行動・心理症状(BPSD)』と呼ばれる不安や焦燥感、徘徊行動やせん妄などの症状へのアプローチではないでしょうか。

認知症の人
認知症の人

早く家に帰らなきゃ。

何でこんな所に居なきゃいけないんだろう・・

イライラ感やソワソワ感により身の回りへの意識が軽薄となり、余計に周りの状況判断が付きづらくなり転倒リスクが高まる事もあります。

その為、気持ちの焦りや不安定感が軽減されるだけでも、転倒に繋がるリスクも下がりやすくなります。

いきなり納得させる事は難しいので、安心感を与えるような声掛けや非言語的コミュニケーションを意識し、関りを持ってください。

とは言え、認知症ケアの関り方をマスターしただけでは太刀打ちできず、ケアが難しいケースもありますよね。

家族の同意の基、必要に応じて専門医(物忘れ外来など)への受診する事を検討しましょう。

生活環境の見直し

自宅において注意する場所や物は前述しましたが、簡単に直せない事もあります。

例えば、段差や滑りやすい廊下などです。

こういった場合に関しては、住宅改修(上限20万円までは利用可能)というサービスを利用する事をお勧めします。

無理して使っている事で転倒リスクにも繋がりますので、必要に応じて検討する価値はあります。

自宅では気になる点も数多くありますが、施設環境では比較して少ないと感じます。

しかし、思わぬ所で転ぶ事もありますよね。

今一度、施設内を見渡してみて下さいね。

■床は濡れていないか。

※特に浴室周り、台所まわり、洗面所まわりです。小まめに気にしておきたい場所です。

■電気コードが動線の邪魔をしていないか。

※加湿器やポットなどの機器は、出来るだけ壁に近い場所に置き、動線の邪魔にならないように工夫しましょう。

■居室内やフロアの明かりは適切か。

※年齢によって感じる明るさは変わります。また、真っ暗にしないと寝付けない人もいますが、周りが見えず危険でもあります。間接照明や人感照明を工夫して使用すると良いですね。(高齢者の移動を考慮すると50ルクス程度は必要)

■使用している車いすのメンテナンスはできているか。

※車いすの高さは、乗っている人の大きさに適合してますか?フットサポート等がグラグラしていると危険です。時々はメンテナンスをしておきましょう。

■ベッドの高さ調節は適切か。

※介護用ベッドを使用していれば、高さ調節ができます。立ち上がる際のベッドの高さは、踵が床面に着くように調節する。オムツ交換の時は介助者の腰への負担にならない高さに変更しましょう。

■利用者の足に合った靴を使用しているか。

※加齢に伴い、外反母趾や偏平足、巻爪などの足のトラブルはつきものです。歩くたびにつま先が痛い、滑る様な靴を履いている場合は転倒にも繋がりやすくなります。巻爪に関しては、外科で確認してもらうと良いかと思います。

  • 踵を安定させるために、踵部分が柔らかい素材でできていないか。
  • 靴底は薄くて硬さがあるものが安定する。
  • つま先部分が少し上がっているとつま先が引っかかりにくい。
出典:OG介護プラス

■浴室に滑りやすいグレーチングを使ってないか。

※古い施設の浴室の排水溝蓋はツルツルの物が設置してある場合があります。使用している場合は、滑り止めテープを貼ると良いです。

 etc

薬の調整

「以前から処方されているから・・」という事で、入居後も同様の薬を服用する事はありますが、状態は変わるものです。

1年前には適した薬であっても、今では明らかな副作用(フラつき等)が確認されてるのであれば、薬の調整が必要かもしれません。

日々の健康状態を確認の上で、主治医への報告や相談は重要です。

不眠の薬に頼らずに軽減するには、生活習慣や考え方を見直す事も必要です。

寝る前にはホットミルクを飲む、足湯をして体を温めるなども効果を感じられる人もいます。

眠くないのに早くから寝床に入る事や、寝付けないと感じたら一旦寝床から離れる事も一つです。

年を取れば、睡眠時間は自然に浅く短くなるものであり、若い時と同じように寝ようと思わないマインドも必要かもしれません。

損害が軽減する対策

転倒・転落に対しての確認事項を並べてきました。

予防策を講じる為に考える必要はありますが、転倒をにする事は現実的に難しくもあります。

その為、事故を未然に防ぐのではなく、事故が起こっても損害を最小限に抑えるための対策も必要となります。

ヒッププロテクター

転倒リスクの高い人、過去に転んでいる人や骨折の経験もある等の場合には、使用を検討してみて下さい。

使用メリット
◎転倒時に衝撃を吸収し、大腿部頚部(太もも付け根あたり)の骨折予防となる。

使用のデメリット
◎着用に慣れなければ、違和感が残る。
◎トイレの際に、着け外しが大変に感じる。
◎認知症の人で着用時に不安がられるかも。
◎保険適用外の為、自費購入となる。
◎お尻が大きく見える。

床へのクッション材

寝室で起きている転倒事故が多く報告されています。

ベッドからの立ち上がりの際の転倒、ベッドからの転落などです。

ほとんどの施設は床が硬くて骨折しやすい構造なので、転倒しても骨折しにくい環境を作る為に、床に衝撃吸収としてクッション材をベッドサイドに敷いておく方法もあります。

使用のメリット
◎転倒時に衝撃を吸収する効果がある為、骨折リスクを軽減できる。

使用のデメリット
◎多少でも厚さがあるので、逆につまずきの原因に成りかねない。※端はテープで止めましょう。
◎認知症の状況によっては、床との色見の違いから避け様として、逆に転ぶ心配も。

まとめ

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

今回は転倒を減らすための対策をお伝えしました。

①健康状態の把握

②筋力の低下予防

③認知症へのアプローチ

④生活環境の見直し

⑤薬の調整

以上です。

転倒事故はどんなに注意していても、防げる事故と防ぐことが困難な事故(不可抗力とあります。

防げる事故には、少しの予防策と判断で回避できるケースもあるわけです。

ケガをして痛い思いをする人を極力少なくする為にも、施設内において再確認するきっかけになれば幸いです!

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