
どうも、ケアニンあがちょ(@careninagacho)です(^^♪
皆さんは、介護の仕事をやっていて家族や周辺の人たちからクレームを受けた経験はありますか?
クレームを受けていても先輩や上司だけで解決していれば、現場のスタッフまで周知されていないケースもあるかもしれません。
中にはモンスタークレーマーも存在する様ですので、気を付けたいところです。

そこで今回は、仕事中にクレームを受けた場合に、どう対応したら良いのかを解説していきます。
そもそもクレームって何?

クレームって言葉は聞くけど、実際にはどういった状態の事を言うのでしょうか。
簡単に言うと『満たされなかった期待』に対して発生します。
つまり、クレームが発生する背景には、大なり小なり期待されていたからという事になります。
何に期待するのか?
介護の仕事って、利用者・入居者へ介護サービスを提供している対価としてお金を頂いています。
だから、私たちは利用者や家族が少しでも納得ができるサービスや環境を提供する必要がある訳です。
また、家族の考え方や捉え方もそれぞれです。
例えば、

家ではとても見てあげられないから・・。預かってくれるだけで有難い。ホントよく見てくれていて、家族も安心している。感謝しています<m(__)m>
そんな感謝の言葉を掛けてくれる家族もいます。
直接、自宅で介護を経験されてきた家族にとってみれば、介護の大変さや難しさ実感しているので、施設で預かってくれる事だけでも有難く感じている人も少なくありません。
また別のケースでは、

お金払ってるんだから、それぐらいはやってよ!ウチが優先しろよ。家族の意見は聞けね~のかよ。
なかなか厳しい言葉ですね。お金を払っているんだから「●●するのが当たり前」という認識を強く持っている家族も存在します。
施設への過剰な期待を持っている家族には要注意です。
つまり、クレームとは期待値と(家族の)認識の差によって発展する(クレーム発生のメカニズム)とされています。
クレーム発生のメカニズム
人間は期待値と認識とのギャップに対して、怒りやイライラ感が出やすくなります。
こんな経験、感情を抱いた事はありませんか?

これぐらい、もっと早く覚えてよ。私が新人の頃は、皆に迷惑を掛けないようにと、もっと真剣に仕事に取り組んでいたわ。意識が足りないのよ!
きっと自分自身が大変な思いをしてきた経験と比較して、後輩の努力が足りない(早く仕事を覚えて欲しいという期待)と感じているんでしょうね。
つまり、先輩が感じている期待値(早く覚えて欲しい)と、認識(なかなか覚えれない)がズレている訳です。
期待値と認識のズレを紐解くと、
●期待 << 認識 = 感激
●期待 < 認識 = 感動
●期待 = 認識 = 満足
●期待 > 認識 = 不満
●期待 >> 認識 = 被害者意識
このように、期待と認識のギャップに対して人の感情は動くわけですね。
「期待していたよりも、すごく良かった」場合には、感動したり嬉しくなります。
「期待していたよりも、悪かった」場合は、不平・不満を抱きやすくなります。
不満の蓄積は、どんな環境であろうと良くはありませんし、イライラ感は仕事をする上で適切な判断力を低下させます。
イライラした感情が沸き上がる時にはアンガーマネジメントをして、自分自身の感情をコントロールしていく事も大切です。
クレームの種類
実は、クレームにも種類があると言われています。
過去にクレームを受けた事のある人は、どのタイプのクレームだったかを思い返してみて下さい。
※種類と対応方法
❶改善策が欲しいクレーム
改善を求める意見には、まずは理解を示して共感する姿勢がポイント。そして対応策を提示する。
❷クレーマーによるクレーム
不当なクレームや嫌がらせ(俗にいうモンスターですかね)は、個別で対応せずに、事業所(法人全体)で対応します。弁護士などに相談するケース。
❸単なる苦情
言わないと気が済まないタイプの人。突っぱねる事はせず、感情を受け取る姿勢で対応。
3パターンのクレームがあり、それぞれで対応が異なる為、クレームを受けている場合にはどのタイプなのかを判断する事が求められます。
クレームへの具体的な対応方法

クレームの対応には、基本的な姿勢があります。
基本姿勢には、誠意・積極性・迅速が必要と言われます。
ここからは、クレームを受けてからの流れを具体的に説明します。
傾聴力が求められる
相手の意向に誠実に向き合っている姿勢、聴く姿勢は相手に伝わります。

おじいちゃんの部屋がまた汚れていたじゃない!ちゃんと掃除してくれているの?お金払ってるんだから、しっかりやってよ!
相手の話をただ聞いているだけではダメです。
『聞く』ではなく、『聴く(傾聴する)』が必要です。
相手の心情を理解するように聴く(相手の立場に立つ)必要がありますので、表情や視線、態度は重要な要素です。
傾聴力を高める事で、クレーム対応だけではなく、普段からの利用者とのコミュニケーションや上司・部下、同僚との関係性を上げる事にも役立ちます。
相づちやクッション言葉(※)も使いますが、人によっては「はいはい」と2回相づちを打っている人もいますが、良い印象を与えませんので気を付けましょう。
※クッション言葉とは、ストレートに言うとキツくなる為、言葉の衝撃を和らげる働きの言葉を言います。(恐れ入りますが、あいにくですが、申し訳御座いませんが、もし宜しければ・・・etc)
弁解しない
気を付けることは、クレームで相手がしゃべっている途中で言い訳や反論をしないという事です。

それは違う!勘違いです!
こんな風に話の途中で言い訳をされれば、相手の気分を逆なでする事になり、余計にクレームが過熱します(*_*;
謝罪する
不快な思いをさせてしまった事に対して謝罪をします。
謝罪をする事によって、「こちらが悪く、非を認めることになる」と感じるかもしれませんが、全面的に非を認める訳ではなく、

ご不快な思いをさせてしまい、申し訳ございませんでした。
不快な思いをさせた事実に対しての謝罪をします。これを限定謝罪と言います。
お詫びの言葉もなければ、相手の不快な気持ちは変わりませんので、まずは限定謝罪を意識して下さい。
事実確認をする
家族等のクレームの内容を鵜呑みにせず、客観的に確認します。
人間誰でも時々は認識違い、勘違い、聞き間違いはあるものです。
「恐れ入りますが、いくつか確認させて頂けますでしょうか?」と、クッション言葉を使って確認すると良いでしょう。
内容をつかみ、クレームになっている原因を把握していきます。
事実を伝える
実際に事実と違うことや誤解などをそのままにしておいては良くありません。
なので、クレーム最中に弁解をせず、事実を確認した後に訂正をします。
気を付ける点は、相手の立場になって分かりやすい言葉で説明をすることです。
相手の反論を聴く
事実を伝えても、相手は納得せずに反論してくる事も考えられます。
ここでも傾聴姿勢が大切です。
反論の内容から、クレーム対応の落とし所を予測していきます。
対応策を提示する
迅速さが重要と前述しましたが、クレーム内容から直ぐに対応できることは速やかに行います。
クレームを入れた人も、ただ言っただけではなく『改善を期待』している訳なので、真摯に問題を解決しようとする姿勢、迅速さが見られるか否かで印象が大きく変わります。
しかし、時間が掛かりそうな事や段階が必要な事などもあるでしょう。
直ぐにできない事は、解決策を提示して、今後どのように進めていくか話します。
感謝を伝える
結果として、いくら勘違いだったとしても、意見を頂いたことに対して感謝の気持ちを伝えましょう。

この度は、貴重なご意見をありがとうございました。
相手にとっては、嫌な気持ちにはなりません。
クレームを解決する3つのスキル

クレームを解決する為に磨くと良い3つのスキルがあります。
仕事力
仕事(介護)における知識や経験を積む事が重要です。
クレームを言う側の人からすれば、分からない事や確認したい事があったとして何かを尋ねれば、スタッフからは有益な情報を得られると期待している面がある。
でも、「分かりません」「知りません」では、利用者を預けている家族としては心配材料となります。
家族側から見れば、スタッフが新人だろうがベテランだろうが関係ありません。
同じ介護のプロとして見ている訳です。
つまり、仕事に必要な知識など自己研鑽を深める事が、クレームを起さないことにも繋がる訳です。
対応力
迅速に動く姿勢とスピード感は求められます。
クレームを受けている時の姿勢は大きなポイントです。
傾聴スキル向上は介護の仕事でも大変役に立ちます。
積極的傾聴法という方法があります。
4つのポイントを意識的に使う事で、相手のイライラした気持ちを徐々に落ち着かせることも期待できます。
❶アイコンタクト
相手の目を見て話を聴くが、ずっと見つめてはいけない。適度にそらす事も。
❷うなずき
通常の会話の時よりも、大きく(やや大袈裟)うなづき、しっかりと聴いているアピール。
❸あいづち
「大変でしたね」「はい」等、上手に入れる。
❹リピート
相手の言葉を引用したり、繰り返す事で、「聞いてもらえている」という安心感を作る。「●●ということですね」と要約したりする。
判断力
迅速な対応をする上でも、的確な判断をしなければ、余計に話がもつれますし、ややこしい事になり得ます。
特にクレーマーによるクレームの場合、理不尽な事を要求してくることだってあるので要注意ですよね。
早く解決しようと焦り、勝手な判断で物事を決めると代償が大きくなります。
組織全体で対応策を練り、顧問弁護士や社会保険労務士などの力を借りる事も考えましょう。
その為にも、クレームの内容を判断し、冷静に応じる必要があります。
クレームを受けても冷静に対応できる為にも、事前にフローチャートを準備しておき、クレーム対策会議を定期的に開いたり、例題を用いてクレーム勉強会をする等の情報共有を図る事も重要です。
クレームは財産だと考える理由

クレームを受けた時の対応や心構えをお伝えしてきましたが、基本的にクレームと聞くとネガティブな印象を持ちますよね。
でも、悪い印象ばかりではありません。クレームを受けた事によって得られる利点もあります。
それは、施設側、スタッフ側では気付かなかった点を気づかせてくれるという点です。
- 利用者目線、家族目線の情報を聞けることで、サービスの方向性や意向の確認にもなる。
- スタッフのコミュニケーションやマナーの対応力の向上につながる。
- リスクマネジメントや業務改善に向けての、スタッフ間や組織全体の意識への刺激になる。
クレームを受けた際に、チャンスと切り替えることができれば、おのずと心のこもった対応ができるかもしれませんね。
まとめ

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
クレームを財産に捉える事で、サービスの質の向上に繋げれる事が望ましいですが、実際にクレームを直接受けたスタッフや管理者にとってみれば、簡単に心が前を向けないかもしれません。
一人で抱える事なく、チームとして組織としてフォローし合いながらクレーム対応するように、バックアップ体制を整えておきたいものです。
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