
どうも、ケアニンあがちょ(@careninagacho)です(^^♪
介護の世界に初めて足を踏み入れた人は、介護のプロとして目指すべき(目指した方が良い)資格があります。
それは、国家資格でもある介護福祉士です。
介護福祉士を取得した後、さらに介護制度の知識を深める為のステップアップとしてケアマネジャー(正式名称は介護支援専門員と呼ぶ)の資格を目指すというのが、多くの人が考えるルートですね。
しかし、実際にはケアマネジャーがどんな仕事をしているのか?業務内容の実態などは知らない事も多いかと思います。

今回はケアマネジャー業務の内容や気を付けたいポイントなどを紹介したいと思います。
ケアマネジャーになる為のステップ

ケアマネジャーは、介護保険制度の始まりとともにスタートした資格であり、介護保険制度の要として位置付けられています。
そんな重要な役割を担っている資格なので、簡単に取得できるものではありません。
ケアマネジャーへの道のりを説明します。
実務の経験
まずは実務経験が必要となります。
実務といっても、何の仕事でも該当する訳ではありません。
以下に該当する場合であって、通算5年以上の経験で、その業務に従事した日数900日以上が必要になります。
❶国家資格に基づく業務
医師,薬剤師,保健師,助産師,看護師,准看護師,理学療法士,作業療法士,社会福祉士,介護福祉士,視能訓練士,義肢装具士,歯科衛生士,言語聴覚士,あん摩マッサージ指圧師,はり師,きゅう師,柔道整復師,栄養士,管理栄養士,精神保健福祉士
こうやって見ると、いろんな国家資格がありますね。
当然、介護福祉士の資格も該当します。
❷相談援助業務に従事してる
以下、従事している人や経験者も対象
❶生活相談員(介護老人福祉施設(地域密着含む)、特定施設入居者生活介護(地域密着含む)における相談業務)
❷支援相談員(介護老人保健施設における相談業務)
❸相談支援専門員(計画相談支援・障害児相談支援における業務)
❹主任相談支援員(生活困窮者に対する自立相談支援事業における相談業務)
ケアマネ試験の申込みを忘れず
ケアマネの試験を受けるのは、事前に願書の提出が必要です。
願書は都道府県や試験実施団体、市町村窓口、社会福祉協議会などで配布されます。
願書は決められた期日までに提出しなければいけませんので早め早めに動きましょう。
申し込み受付期間は5月~7月中です(都道府県で若干の違いはあります)。
提出後は、受講票が自宅に届きますので、試験日まで保険しておき、当日は忘れずに持参してください。
万が一、無くしてしまった場合には問い合わせ先に確認しておきましょう。
試験は毎年10月に行われており、12月中には合格発表となります。
ケアマネになる為の試験勉強
ケアマネ試験は難しいと嘆いている人もいます。

合格率は、令和3年の試験では23%程度(過去最高の合格率)。5人に1人が合格ぐらいですね。
3年に1度は介護保険の報酬改定もあるので、覚えていた事と内容が変わったなんてこともあり、実際に何度も落ちている人もいるようです。
真剣に試験勉強をしている人から、記念受験ぐらいの感覚で受けている人もいるので、ハッキリとしたレベルは分かりませんが、軽い気持ちで受けて合格するレベルではないと感じます(*_*;
どんな勉強方法が効率的か、過去問だけで良いのか、セミナーを受けるべきか等の考え方は人それぞれですので、周りの声を参考にしつつ鵜吞みにしないように、自分に合った勉強方法を見つけましょう。
試験よりも研修の方が大変?
努力した結果、ケアマネ合格を掴んだ人。
合格したからケアマネになれる訳ではありません。
合格後に待っているのが、介護支援専門員実務研修です。
以前は44時間で済んだ研修でしたが、平成28年以降からは87時間という長時間の受講をする必要となりました。
長時間の研修を修了し、ようやく介護支援専門員としての登録を受けることができ、認定証が交付される訳です( ;∀;)


合格して燃え尽きてしまって研修が受けれない状態では元も子もありません。研修は休むことない様に最後まで頑張って下さい!
ケアマネジャーの仕事内容

折角ケアマネジャーの資格を取得しても、ケアマネとして働かずに業界からフェイドアウトしていく人もいます。
ケアマネの試験勉強しただけでも無駄ではありませんが、ケアマネの魅力や苦労は実際にやってみないと分かりません。

ここからは、ケアマネ業務をザックリと紹介します。あくまでも一般的なケアマネ業務としてとらえて下さい。
居宅ケアマネ
まずケアマネを目指した人が考える業務が、居宅介護支援事業所ではないでしょうか。
居宅で勤めているケアマネは、在宅で暮らしている高齢者・家族の支援を主としています。
●本人・家族の相談業務、
●訪問介護、通所介護、ショートステイ、福祉用具などの在宅生活を支える事業所との連携。
●担当者会議の実施、ケアプラン作成や交付。
●医療系との連携(医師への確認や相談)など。
●毎月1回以上の自宅訪問(モニタリング)や必要に応じての再アセスメント。
●給付管理(月々のサービス利用に対しての確認)。
●介護認定の申請手続き代行、諸々のサポートも。 etc
居宅ケアマネの業務内容は多岐にわたり、いつも忙しそうにしていると思われています。(そうばっかりではないかもしれませんが・・(*_*;
担当する利用者も35名程度であり、一人ひとりの自宅に訪問するだけでも時間を使います。
プラン作成や毎月のモニタリング訪問において、家族の都合も頭に入れておく必要がある為、柔軟なスケジューリングがポイントとなります。
施設ケアマネ
施設ケアマネの『施設』とは、特養や老健のケアマネ、グループホームにいるケアマネも指します。
居宅との大きな違いは、プラン立てをする対象者が入所(入居)している人か否かにあります。
●入所者のケアプラン作成や交付。
●施設スタッフとの連携。
●介護認定の申請手続き代行、諸々のサポートも。 etc
施設ケアマネは何と言っても、大規模な施設ともなると100名近くの入社者のケアプランを作成する事になります。
100名って名前だけでも覚えるにはやっとですが、それぞれのケアプラン作ることは一朝一夕にはいきません。
施設に関わる兼務もしている場合もあり、相談業務以外でも力を発揮する事が期待されるのではないでしょうか。
こんなケアマネは要注意!

ケアマネの仕事をしていて、とても重要だと感じる事があります。
介護保険制度のことや介護サービスに関する知識や情報量は大切ですが、それと同じぐらい、嫌それ以上に重要だと感じることは、本人・家族へのコミュニケーション力や傾聴力などの関わり方です。
いくら知識豊富であったとしても、知識だけでは人の気持ちには寄り添えませんし、信頼してもらえるわけでもありませんよね。
本人・家族からの信頼や信用がなければ、ケアマネ交代させられることだってあり得ます。

このケアマネは、悩みや困りごととか私の話をよく聴いていくれる。
多少時間が掛かっても、信頼を勝ち取れるような関わり方を身に付けていきましょう。
ここからは、ケアマネとして気を付けたいこと3選をお伝えします。
なんだか偉そう
ケアマネは利用者本人・家族とサービス事業所との橋渡しをする事も仕事です。
サービス事業所は紹介され利用をしてもらう事で、初めて利用料を頂くことができます。
その為、事業所としてはケアマネからより多くの紹介をもらえることが、経営に大きく左右されますので、ケアマネ在籍する居宅には営業に回る事が多いです。

紹介をしてあげたんだから、こちらの言う事聞いてよ!
どちらが立場が上とか、どちらが偉いとかはありません。利用者・家族を支える者として、変わりはありません。
何だか勘違いしているケアマネは、あたかも「紹介してやっている」ぐらいの気持ちで上から見ている人も若干名いるようです。
担当者会議の際でも、他事業所の担当者に対して横柄なケアマネがいると聞いたこともあります。
利用者・家族、そして他事業所との関わり方も重要な立場ですので、お忘れなく。
言われるままの何でも屋
ケアマネは利用者・家族の気持ちや意向を汲み取り、サービスに反映していく為のプラン作りが必要です。
しかし、相手の希望や意向のままにプランに入れたり、ケアマネとして必要のない事までも手を出してしまうような『何でも屋』になってしまう人もいます。

私の言う事を聞いて。私たちを支援するのがケアマネでしょ!
例えばAの方が良いはずなのに、家族の意向がBであった場合に、直ぐに流されてしまうようなでは、ケアマネとしての専門性や責任感に欠けると言わざるを得ません。
利用者・家族のご機嫌取りが仕事ではありません。
ケアマネとしての専門的知見を持って「違う事は違う」「○○だからAにされてはいかがでしょうか?」と伝えることは専門職としての責務です。
レスポンスが遅い
依頼されることが多いケアマネ。

来月、家を空ける予定があります。ショートステイを利用したいのですが・・。

足が痛くて段差が負担となってる。何か良い対策はありませんか?
日々の生活の変化の中で、困りごとや不安なことが生まれます。
利用者・家族からしたら、どんなサービスが使えるのか、どうしたら解決できるのか分からない時は、担当ケアマネジャーが頼みとなります。
しかし、フットワークの重いケアマネの場合、依頼を掛けてもレスポンス(返事、反応)が悪く、結果として家族の負担を増やしてしまったなんて事になれば、信用問題にも繋がります。
サービスが『使える使えない、できるできない、可能不可能』などの返答は極力早く伝えられるように、レスポンスは早め早めに行いたいところです。
ケアマネとしてのネック(人によります)

介護の仕事を志した人が介護福祉士取得後は、いずれケアマネを目指すといった流れは大きく変わってきました。
それは、以下の2点が足を引っ張っているように感じます。
給与面
どちらが偉いとは凄いとかの物差しではないですが、介護福祉士よりもケアマネの方が経験年数も必要ですし、資格取得までの道のりは厳しいとされています。
その分、給料面ではケアマネの方が高いことが多い訳ですが、最近では逆転現象が起きています。
それは何故か(・・?
今後も続く超高齢社会を支える介護スタッフが、他業種との賃金格差を穴埋めする為の施策として『介護職員処遇改善加算』というものがあります。
介護職員の給与を上げる事が目的であり、毎月の手当てに充てたり、ボーナスに載せたりできます(法人ごとで出し方は決めれます)。
この加算は介護職員には付きますが、ケアマネには該当しない加算です。
また、最近では政府の方針として、介護士や看護師の給与アップに関することが報道されていましたが、この件についてもケアマネジャーは蚊帳の外となっています。
結果、介護スタッフには還元されるがケアマネには反映されないことで、給与の逆転現象が起きている訳です。
定期的な更新研修
介護福祉士同様にケアマネも国家資格だと勘違いしている人もいますが、ケアマネは国家資格ではありません。
ケアマネ資格のネックとなっているのが、5年毎の更新研修が必要なことです。

ケアマネ試験に合格後の研修は87時間という大ボリュームの研修を何とか済ませたかと思えば、5年毎の更新研修では最長88時間もの時間を掛ける必要が出てきます。
実務経験の有無にも左右されますが、どちらにしても一日二日で終わる様な研修ではありません。
更新研修の費用は5~6万円前後はかかります。
また、研修会場に足を運ぶ際の交通費もバカになりませんし、休みを活用して受講しなければいけない場合は気持ちの負担ともなりやすいでしょう。
正直、費用の負担や業務として受講ができるのか否かの考え方は、法人によってバラツキもあるようです。
ケアマネを目指す人が激減
給与が反映しない現実や5年毎の研修受講が必要であることを踏まえ、以前のようにケアマネを志す人、目標にしている人が減ってきているようです。
特に2018年を皮切りに、受講者は1/2以下になっています。
受講条件の変更も大きな理由となっていますが、プラスしてケアマネの魅力が低下しているからではないかと考えられます。

ケアマネのイメージとしては、普段から業務量が多くて大変・・そんな印象を持たれている人が多いです。
なのに介護現場で働いている時よりも、ケアマネになると給与が下がってしまう。
そりゃ、魅力が薄れる事も理解できます。

「体力的に現場での身体介護に無理がでてきた」「夜勤がキツイ」「ケアマネのような対人援助業務が合っている」
理由がハッキリしている人はケアマネの仕事に大きな目的を持っていますので、給与の事や研修の事は気になりにくいかもしれませんが、その一方で漠然とケアマネ資格を目指すといった人が減った結果だと感じます。
まとめ

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
介護保険制度は改定される度に、何だかややこしいルールができたりしますが、ケアマネジャーとしては知識を蓄えながら自己研鑽していかなければいけません。
責任と役割の大きな仕事ですので、半端な気持ちではなかなか続かないと感じます。
環境にもよりますが、できるだけ沢山の先輩ケアマネジャーの人と交流を持ち、研修には積極的に参加する事をお勧めします。
ケアマネジャーとしての考え方や視点の学びを得られると思います。
ケアマネとしての規則は守りつつ、自分らしく利用者に寄り添った関りができると良いですね!
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