
どうも、ケアニンあがちょ(@careninagacho)です(^^♪
在宅サービスも施設サービスでも介護の仕事をしていると、ほとんどの人が医療行為が必要な高齢者を目の当たりにするのではないでしょうか。
医療的ケアは看護師が主軸となって行う行為だと思いますが、実は介護員でも行える場合があります。

介護職員が医療的ケアを行う為に、必要な研修制度について解説をします。
医療行為(医療的ケア)とは何か

医療行為って、点滴や注射、吸引等以外にもさまざまな行為が含まれます。
医療行為について改めて確認してみましょう。
医療行為とは、人の傷病・診断又は予防の為に、医学に基づいて行われる行為。
引用:ウィキペディア
特に病院や療養型の施設では医療依存度の高い人が入院しているので、そういった介護現場で働いている人は、医療行為の場面をよく目にします。
でも、実は●●も医療行為になるって事もあるんですよね。

え・・それって医療行為なの⁉やってしまってたよ(-_-;)
本来、医療行為は介護員には行えません。
知らなかったでは済まされない場合もあるので、注意が必要です。
介護現場でよく見られる行為を考えてみましょう。
医療的ケアに該当しない行為
以下は介護スタッフでも対応可能なケアです。
■自動血圧測定器を使った血圧測定。
■パルスオキシメーター(spo2測定)の装着
■体温計を使った体温測定
■医薬品の使用補助(湿布を貼る、点眼、座薬の挿入、内服薬の服薬介助、軟膏の塗布)
※褥瘡(床ずれ)箇所への塗布は認められません。
■爪に異常が無い場合、容態が安定している人への爪切り
■異常がない場合の耳かき
■ストマ―内の排せつ物の除去
■インスリンの確認、手渡し
■自己導尿を行う際のカテーテルの準備や姿勢保持 etc
介護員が行える医療的ケアだとしても、状態が不安定な人や、いつもと違う様子が見られる人がいれば看護師への報告・連絡・相談を確実に行いましょう。
医療的ケアに該当する行為
逆に医療行為(医療的ケア)に該当する行為を確認します。
■白癬菌や巻爪への爪切り
■糖尿病などの疾患に伴う場合の爪切り
■耳垢栓塞の耳掃除
■市販の浣腸(長さによる)
■ストマーのパウチ交換
■インスリンの接種 etc
当然のことながら、点滴や注射、経鼻経管栄養や喀痰吸引などの高い技術と専門性を求められる行為に関しては、介護員は行う事ができません・・
でしたが、
しかし・・
平成24年4月の【社会福祉士及び介護福祉士法】の一部改正により、介護福祉士及び一定の研修を受けた介護職員等においては、医療や看護との連携による安全確保が図られているなど、一定の条件の下に痰の吸引等の行為を実施できるようになりました。
喀痰吸引等に係る研修制度

まずは、喀痰吸引等に係る研修制度の概要を知り、必要に応じて受講を検討されると良いかと思います。
実施可能な行為
この研修を受ける事で実施が可能になる医療的ケアは、
●痰の吸引(口腔内、鼻腔内、気管カニューレ内部)
●経管栄養(胃ろう、腸ろう、経鼻経管栄養)
痰の吸引その他の日常生活を営むのに必要な行為であって、医師の指示の下に行われなくてはいけません。
また、介護職が実施できる行為は、受講した研修の課程や実地研修によって変わってきますので、受講前には要確認です。
研修カリキュラム
研修には3種類のカリキュラムがあります。
なお、第1号と第2号研修の基本研修は同じカリキュラムとなります。
第1号研修・第2号研修
■研修内容
不特定多数の人に対して、痰の吸引(口腔・鼻腔・気管カニューレ内部)及び経管栄養(胃ろう又は腸ろう、経鼻)を行う為の研修。
■基本研修
講義(50時間)と演習❶口腔内の喀痰吸引❷鼻腔内の喀痰吸引❸気管カニューレ内部の喀痰吸引❹胃ろう又は腸ろうによる経管栄養❺経鼻経管栄養❻救急蘇生法
※演習回数❻は1回以上、他は各5回以上(※)
第1号は、全過程を学びますが第2号研修は、一部の特定の行為について学んでいきます。
(※)人工呼吸器装着者に対する喀痰吸引を行う場合は、演習及び実地研修において各所定の回数を別途行う必要があります。
第3号研修
■研修内容
特定の人(利用者と介護職員等とのコミュニケーションなど個別的な関係性が重視される
ケースに対応するもので、筋委縮性側索硬化症又はこれに類似する神経・筋疾患、筋ジストロフィーなど)に対して、痰の吸引や経管栄養を行うための研修。
■基本研修
講義と演習(9時間)喀痰吸引等に関する演習
費用はおおよそいくら?
研修ごとの受講費はおおよそいくらかかるのでしょうか。
●第1号研修 13~20万円前後
●第2号研修 13~17万円前後
●第3号研修 6~7万円前後

あくまでも目安です。受講先によって費用にバラツキがありますので、詳細は問い合わせにてご確認ください。
受講に際して注意したいこと
カリキュラム内容の通り、第3号研修に関しては、講義と演習で9時間のみです。
第1号・2号と比べると、明らかに短時間で修了することができ、受講料も安価で済みます。
でも、注意点として、あくまでも喀痰吸引等の行為を行える相手は『特定の方』という事です。
特定の方に関しては、実際に該当する利用者の情報を都道府県に届け出る必要があります。
届け出た利用者以外に対して、実施をしてしまうと医師法違反になってしまいますので、必ずルールを守りましょう。
研修が修了したら・・

やっと今日で研修が終わった!明日から、吸引や経管栄養の行為ができるぞ!
研修の受講が終わったからといって、直ぐに実施ができる訳ではありません。
研修の修了者は、研修機関で発行された修了証明書やその他の書類と共に『認定特定行為業務従事者認定証』を申請し、都道府県より交付を受ける必要があります。
■介護員が喀痰吸引を行える為には、
❶喀痰吸引等の研修を修了した介護員であること
❷認定特定行為業務従事者の認定証を交付されていること
❸医療行為を実施する施設などが、登録喀痰吸引等事業者の認定を受けてること。
医療的ケアが行える介護スタッフは求められている

医療的ケアが行える介護スタッフは、医療依存度の高い人が入所している施設にとって、とても貴重な存在です。
特に中重度者が中心となっている特養はもちろんですが、有料老人ホームや訪問介護などの在宅サービスにおいても、嚥下機能の落ちている人は多く、医療的ケアが行える介護員は重宝されることでしょう。
転職を考えている人であれば、新たに就職先を探す場合でも、履歴書に載せれる事は大きなポイントになります。


まとめ

ここまでお読みいただきありがとうございました。
喀痰吸引や経管栄養等の医療的な行為は看護師頼みでしたが、一定の研修を受けることで介護員でも行えるようになったことは、とても画期的なことだと感じます。
専門的な知識が必要となりますので、一般の介護員よりもワンランクもツーランクもアップできます。
ぜひ、前向きにチャレンジしてみて下さい(^^♪
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