
どうも、ケアニンあがちょ(@careninagacho)です(^^♪
普段の暮らしの中で、健康を維持する為にも欠かす事のできない行為として、睡眠・運動・食事、そして排泄があります。
排泄は体の機能を維持する上で欠かせない大切な行為ですね。
排泄を行う場所はトイレですが、通常のトイレが使用できない場合もあります。
そこで登場するのが、ポータブルトイレという用具です。

今回は、ポータブルトイレについて詳しく解説をしたいと思います。
既存のトイレが使いずらかったら・・

トイレの改修をする
どのご家庭にも、ほぼ確実にトイレはあります。
自宅のトイレが古い、狭い、和式・・と、使いにくさを感じている高齢者も少なくありません。
一日のうちに数回はトイレに行く事になりますので、少しでも快適に使用できる事が望ましい訳です。
そこで、考える対策の一つが住宅改修です。
介護保険を使い、住宅改修は上限20万円まで利用ができます。
●車椅子の人や動作が不安定で、開き戸によりトイレの出入りが困難な場合
※引き戸への改修工事を検討。
●トイレ内につかまる箇所がなくて、立ち座りが負担となる場合
※手すりの設置などの改修工事を検討。
どのような改修が適切なのか、使いやすくなるのか等は、ケアマネジャーや福祉用具を扱っている業者に相談することで対応してくれます。
介護保険で購入ができるトイレ
自宅にあるトイレが使いづらくなれば、段差解消や手すり設置などの住宅改修を検討します。
それでも解決しない場合に考える策として、ポータブルトイレの購入が挙げられます。
ポータブルトイレを使用する事で、狭い・古い・和式といった懸念材料をクリアする事も可能です。
ポータブルトイレの購入を含め、浴室のシャワーチェアや踏み台など、介護保険を利用する事で1割負担(2~3割の人もいます)で購入することができます。
利用枠としては年間上限10万円までです。
※ポータブルトイレに関しては、福祉用具貸与(レンタル)はできませんので、介護保険を使って買うか、保険を使わず自費で買うかの2択になります。
ポータブルトイレの色々

実はポータブルトイレと言えど、種類も機能(価格も)にも違いがあります。
機能について掘り下げていきます。
肘掛け跳ね上げ
肘掛けがないタイプとあるタイプがあります。
肘掛けないタイプを選ぶ人は、座位保持(座っている体制)が安定している人であれば、無しでも良いですが、多くの人にとっては肘掛けは、座位保持や立ち座りの動作の補助にも使えるので良いです。
また、人によっては、肘掛けがある事でポータブルトイレからベッドへの移乗動作の邪魔に感じる事もあるので、そんな人には肘掛けが跳ね上がるタイプも便利かと思います。

座面の高さが変えられる
身長に違いがあれば、適切な座る高さも違ってきます。
座る高さが適切でなければ、立ち上がる時も困りますよね。
無理に立ち上がろうとすることで、バランスを崩して転倒なんてことになれば辛いだけです。

便座の高さを調節することで、立ち上がりの際の転倒を防ぐことにも繋がります。
既にポータブルを使用されてる人は、上記の高さ目安を参考ししてみて下さい。
ウォシュレット機能
日本人の多くは、トイレのウォシュレット機能は当たり前になっているかと思います。

洗わないと何だか気持ち悪い・・(*_*;
その気持ちは良く分かります。
しかし、ウォシュレット症候群という症状を知っていますか?
常に必要以上に肛門を洗うことで、肛門周りの皮膚を傷つけて、肌荒れを起してしまうことがあります。
とは言え、排泄後のウォシュレットは気持ちもお尻もサッパリする事は確かですね。
そんなニーズに応えるのが、ウォシュレット付きのポータブルトイレです。
一般的なポータブルトイレよりは価格も上がりますが、毎日のことなので検討の余地はありですね。

ポータブルトイレを使うメリット

ケアマネジャーである私の経験上、今までに何人もの利用者にポータブルトイレを提案してきたことがあります。
では、どんな人にとってメリットだと感じたため提案をしてきたのでしょうか。
夜間はすぐ便座に座れる
昼夜問わず、頻尿でトイレに何回も行くという人がいます。
泌尿器系の持病や服用している薬の影響、精神的な不安定感によるものなど原因は様々です。

おしっこが近くて・・夜はトイレに行くに億劫だから、お茶は控えるようにしている。
夜間のトイレまでの不安や負担を感じて、水分摂取を控えているという高齢者がいます。
●ポータブルトイレを使うことで、トイレまでの距離がグッと縮められ、トイレまでの億劫に感じる気持ちを和らげる。
広さを確保できる
最近の家の構造に比べ、古い家のトイレ内は狭いことが多いです。
狭くて使いずらいからと言って、トイレ内の広さを変えるような工事は費用が膨らみます。
住宅改修もドアを開き戸から引き戸に変更することは認められますが、広さを変えることは該当しません。
特に車椅子の人にとってみれば、狭いトイレ内には入る事すら厳しくなってきます。
●ポータブルトイレを寝室などに置くことで、車椅子でも動きがとりやすくなる。
●介助者もスペースに余裕が生まれ、介助がしやすくなる事も。
転倒予防としても活用
普段から歩行に不安を覚える人やフラつきが気になる人にとってみれば、夜間は足元も暗く、寝起きでフラつきやすい状況でもあるので、特に注意が必要な時間帯となります。

起きた時にフラフラしやすいから、転ばないかといつも不安なのよ・・。
転倒して骨折でもしたら、生活がガラリと変わってしまうので不安な気持ちになるのは無理もありません。
●ポータブルトイレをベッド近くに置いておくことで、無理して歩行する状況を作らずに転倒予防。
●夜間での暗くて足元の悪い状況を軽減できる。
ポーター使用のデメリット

使用後の片付けが必要
通常のトイレであれば、水に流せばあっという間に済みますが、ポータブルトイレの場合にはそうはいきません。
排泄後は中身をトイレに流す必要があります。
利用者本人が処理する事もありますが、多く場合は同居家族がサポートしています。
基本的には毎日のことなので、家族の支援力・理解が必要です。
●一人暮らし等で家族の支援が受けにくい状況であれば、ポータブルトイレの片付けを訪問介護(ヘルパー)に依頼することもできますので、負担に感じている人は担当ケアマネジャーに相談して下さい。
床の汚染に気を付けたい
利用者によっては、パンツを下げると同時に排尿されてしまうケースもあり、床が濡れやすい状況となります。
通常のトイレであれば、尿により床が濡れてしまったとしても拭き取りやすい素材で作られている事も多く掃除もしやすいです。
例えば、畳の部屋に寝ている人がポータブルトイレも部屋に置いている場合、尿汚染により畳を濡らしてしまう事も考えられます。
染み込んだり、拭き取りづらくなるため、臭いやカビの素になります。
●畳の部屋など、特に汚れが気になる場所に設置する際には、ポータブルトイレの下に防水マットやシーツ等を敷いておく事も一つです。マットが汚れても、畳などへの影響は軽減できます。
置き場所の匂いが気になる

常に寝ている部屋に置いているので、臭いが充満してしまい気になっています・・。
結構、家族が気になっている問題です。
利用者自身も、寝室の臭いが気になり「寝る時に気になり、寝室には置きたくない」という意見もあります。
使用の度に消臭剤をまいて対応している人もいます。
●ポータブルトイレ用の凝固剤という物があります。水分をすばやく固め、後処理が簡単な商品です。災害時にも活用されているようです。
まとめ

ここまでお読みいただきありがとうございました。
一定の病気や障害のある人でない限りは、トイレはほぼ毎日使用する物です。
特に頻回の人であれば、なるべく使い心地の良い環境にしておくことが望ましいですよね。
普段の生活の中でポータブルトイレを使う選択肢が生まれるようであれば、デメリットも理解したうえで検討して頂きたいと思います。
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